旅に病んで夢は荒野を・・・
2015年 07月 21日
下川さんのナムジャイブログから応募し、「裏国境」突破 東南アジア一周大作戦 (新潮文庫) 」をいただきました。本当にありがとうございます。
とってもうれしいです。
「旅するように暮らしてる」というタイトルで、ブログを書いているけれど、ここ数年は旅らしい旅ができません。
旅慣れた人には憧れます。普通なら絶対に行かないだろなと思う裏路地に入っていって、旅先でいろいろな人と出会う人がいる。そういう旅、いいなあ。
こわがりで小心者な私は、旅先ではろくに時間を過ごせないのです。
6年近く前に仕事の都合でスイスに行った際、やっとできた半日の自由時間にもかかわらず、ただひたすら路面電車に乗っていました。降りることができず、どんどん走って終点は単なる住宅街。人気がなくしーんとしていて、田園調布みたいなところに来たなと思ったけれど、結局、何をすることもできなくてそのまま折り返しました。
アメリカの友人を訪れた際は、最後の晩だけラマダインというホテルに宿泊。長い廊下が怖くて部屋から出ることができず、翌朝のチェックアウトまで、まんじりともせず過ごしただけ。夕飯だけは何とかホテル内のレストランですませたけれど、チビな東洋人の女子が1人でどでかいハンバーガーを前に途方に暮れている姿を見て、ほかの人はどう思ったのだろう・・・。
そのくせ、私は観光地よりも、人の生活のにおいのする場所が好きだったりします。ワシントンで有名な博物館よりも、コンビニやスーパーを見て喜んでいる私を見て、友人の連れ合いさんは呆れた顔をしていました。高いレストランの料理もいいけど、何となく駅にある児童販売機から買ったホットコーヒーがおもいのほか美味しかったりすることが何よりも大発見でうれしい。
旅に出ると、そこの地の人のことが、たまらなくいとおしくなりますね。明日には離れてしまう旅人とは違い、その地にとどまりどうしようもない日常を生きている人もいるのだと思う。どこかから来た誰かが、東京ですれ違う私を見て、今度はそう思っているかもしれません。私にとっては、毎日行かねばならない嫌な場所も、ある人にとっては二度と訪れることのない最高の思い出の場かもしれない。旅は不思議です。
しかし、今の自分は、ひとりふらふら放浪なんて、とてもできない毎日を暮らしています。見慣れた土地も知らない場所に見えるときがあるほど、不安定な日常を生きています。
下川さんの本が好きなのは、旅慣れているのに、そんな感じがしないこと。これだけ長い間旅に生きているというのに、決して自我におぼれず、得意がらず、日本で働く人と同じ視点で、その土地に生きる人々を見ているのですね。ビジネスマンもビジネスウーマンも、売春婦も警官も、国境警備員も分け隔てなく同じ目で見ているのが不思議です。かといって、かたくなかといえば全然違う。ブレずに人を見る視線はあるけれど、あとはなんでもブレまくり、「郷に入っては郷に従え」と、どこでも眠ってしまう柔軟性と、力の抜け具合に、読んでいる方は苦笑いしてしまうのです。
中央線沿線に拠点があるという下川さんはまた、どこにいてもビールを探す。タイの路地裏や、アジア中のあやしい国境、ヨーロッパ、アメリカ・・・素人には近づけない場所を豊富に訪れているのに、どこか荻窪や三鷹をふらっと歩くような雰囲気で、どこまでも進むというより、進まない。迷った先に何かがあって、ああこれだ、というような行き当たりばったりの感じ。もちろん、これは下川さんの緻密な取材と下調べ、筆力のたまものであり、実際は非常に大変な旅程なのだとは思うのですが。
1つだけ気になるのは、旅先で会う女性たちの写真かな。旅先で見る女性はことさらきれいに見えるのかなとも思いつつ、やっぱりアジアの女性を見る日本の男性の視線を思い起こしてしまい、同じ女性としては、少しつらいのです。
これからも体に気を付けて旅を続けてほしいものです。

http://www.amazon.co.jp/dp/410131554X/ref=cm_sw_r_tw_dp_IJsRvb1AESAED
とってもうれしいです。
「旅するように暮らしてる」というタイトルで、ブログを書いているけれど、ここ数年は旅らしい旅ができません。
旅慣れた人には憧れます。普通なら絶対に行かないだろなと思う裏路地に入っていって、旅先でいろいろな人と出会う人がいる。そういう旅、いいなあ。
こわがりで小心者な私は、旅先ではろくに時間を過ごせないのです。
6年近く前に仕事の都合でスイスに行った際、やっとできた半日の自由時間にもかかわらず、ただひたすら路面電車に乗っていました。降りることができず、どんどん走って終点は単なる住宅街。人気がなくしーんとしていて、田園調布みたいなところに来たなと思ったけれど、結局、何をすることもできなくてそのまま折り返しました。
アメリカの友人を訪れた際は、最後の晩だけラマダインというホテルに宿泊。長い廊下が怖くて部屋から出ることができず、翌朝のチェックアウトまで、まんじりともせず過ごしただけ。夕飯だけは何とかホテル内のレストランですませたけれど、チビな東洋人の女子が1人でどでかいハンバーガーを前に途方に暮れている姿を見て、ほかの人はどう思ったのだろう・・・。
そのくせ、私は観光地よりも、人の生活のにおいのする場所が好きだったりします。ワシントンで有名な博物館よりも、コンビニやスーパーを見て喜んでいる私を見て、友人の連れ合いさんは呆れた顔をしていました。高いレストランの料理もいいけど、何となく駅にある児童販売機から買ったホットコーヒーがおもいのほか美味しかったりすることが何よりも大発見でうれしい。
旅に出ると、そこの地の人のことが、たまらなくいとおしくなりますね。明日には離れてしまう旅人とは違い、その地にとどまりどうしようもない日常を生きている人もいるのだと思う。どこかから来た誰かが、東京ですれ違う私を見て、今度はそう思っているかもしれません。私にとっては、毎日行かねばならない嫌な場所も、ある人にとっては二度と訪れることのない最高の思い出の場かもしれない。旅は不思議です。
しかし、今の自分は、ひとりふらふら放浪なんて、とてもできない毎日を暮らしています。見慣れた土地も知らない場所に見えるときがあるほど、不安定な日常を生きています。
下川さんの本が好きなのは、旅慣れているのに、そんな感じがしないこと。これだけ長い間旅に生きているというのに、決して自我におぼれず、得意がらず、日本で働く人と同じ視点で、その土地に生きる人々を見ているのですね。ビジネスマンもビジネスウーマンも、売春婦も警官も、国境警備員も分け隔てなく同じ目で見ているのが不思議です。かといって、かたくなかといえば全然違う。ブレずに人を見る視線はあるけれど、あとはなんでもブレまくり、「郷に入っては郷に従え」と、どこでも眠ってしまう柔軟性と、力の抜け具合に、読んでいる方は苦笑いしてしまうのです。
中央線沿線に拠点があるという下川さんはまた、どこにいてもビールを探す。タイの路地裏や、アジア中のあやしい国境、ヨーロッパ、アメリカ・・・素人には近づけない場所を豊富に訪れているのに、どこか荻窪や三鷹をふらっと歩くような雰囲気で、どこまでも進むというより、進まない。迷った先に何かがあって、ああこれだ、というような行き当たりばったりの感じ。もちろん、これは下川さんの緻密な取材と下調べ、筆力のたまものであり、実際は非常に大変な旅程なのだとは思うのですが。
1つだけ気になるのは、旅先で会う女性たちの写真かな。旅先で見る女性はことさらきれいに見えるのかなとも思いつつ、やっぱりアジアの女性を見る日本の男性の視線を思い起こしてしまい、同じ女性としては、少しつらいのです。
これからも体に気を付けて旅を続けてほしいものです。

http://www.amazon.co.jp/dp/410131554X/ref=cm_sw_r_tw_dp_IJsRvb1AESAED
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by umebayashi-gyoza
| 2015-07-21 02:42
| 7月ー梅雨明けと鮮やかな季節
なつやすみ
2014年 07月 30日
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by umebayashi-gyoza
| 2014-07-30 10:29
| 7月ー梅雨明けと鮮やかな季節
ほんととうそと
2012年 07月 17日
膨大な資料を前に
ためいきをつく
どれが嘘で
どこがいい加減か
でたらめに並んだ数字に
意味はあるのか
劣化コピーを重ねた発言は
いかにも重要に見えるがたいしたことはない
何年も扉は開かず
会議は延々と続いている
暗号解読の振りをして
ただひたすらに下を向く
あなた方は一体
だれですか

ためいきをつく
どれが嘘で
どこがいい加減か
でたらめに並んだ数字に
意味はあるのか
劣化コピーを重ねた発言は
いかにも重要に見えるがたいしたことはない
何年も扉は開かず
会議は延々と続いている
暗号解読の振りをして
ただひたすらに下を向く
あなた方は一体
だれですか

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by umebayashi-gyoza
| 2012-07-17 14:42
| 7月ー梅雨明けと鮮やかな季節