ふるいものとあたらしいもの
2019年 03月 02日
小学校からおとなになるまで、住んでいたのはなにもかもが真新しい郊外の住宅地だった白い壁、真っ直ぐな道路、ピカピカのスーパーそれ以外に何もないそれが当たり前だったから
東京で暮らすようになってからふるい、ふるいものが、さらっぴんの新しいものと混在していることがおかしくて、悲しくて時にうとましかったりもした
新しい町だった郊外の住宅地は古くなり、草も木も伸びた真新しい公園ではしゃいでいた子どもはもういないモデルタウンと呼ばれた私の町はいまや高齢化と、人口減少と、ロストジェネレーションのモデルタウン
最先端の都会のなかで頑強な古さを守ることと時間とともにあっという間に寂しくなった郊外とそのどちらもが私の町となった今私は、いつもどこでもない場所に帰ろうとしている
ふるくてきたないものがあたらしくてきれいなものに変わることの悲しさ、おかしさ、くやしさを抱きしめては、力を抜いて
過ぎてゆく日々に。通りすがりに、一言。
by umeko