6文字の冬
2019年 01月 19日
今朝、新聞で見た「帰還困難区域」という文字
関係ない人だというのにふと、ふうっと、ため息が伝いました
だれかの家に残された食器や、棚や、ドアの傷スーパーのビニール袋や、プラスチックの容器たちかつての、だれかの、生活の音が私の記憶と重なって
そうじゃない、私は帰れていないわけじゃないちゃんと片付けもした、あの日からの全てを紙切れ1枚、ええでも、ちゃんと出した印鑑もついた決め事も、もめごとも、終わった後悔や未練なら、何とか自分で、やるだろう
今ひとたび思うのはあの日の午後の、柔らかい日差しわたしが「日常」と呼んでいたあの場所、あの匂い、あの木立の傾き勝手な場所におかれたリモコンや小さなお気に入りのスペースの珈琲の香りわたしが「好き」と集めた物たち、影たち、光たち
まだ言っているの?そんなことまさか帰りたいんじゃないでしょう?そうじゃない わたしが日常と呼んでいたあの場所はたしかに不安や、恐怖や、劣等感のある場所だったそれでも、確かに、わたしの場所はあったどんなに小さく、些細なものでもだからこそ大切にしていた
わたしだけの、ものがたり「帰還困難区域」
by umebayashi-gyoza
| 2019-01-19 14:29
| 冬
過ぎてゆく日々に。通りすがりに、一言。
by umeko