2024年 02月 02日
奪わないでください
と、祈る
一生懸命、暮らしているのです
と、ねんをおす
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by umebayashi-gyoza
| 2024-02-02 00:31
2023年 05月 27日
真新しいマンションが増えてきたこのまちでわずかに残った古いモノああ、あのぼろっちい空き家ね頑固に過去にしがみつくなんとも無様な姿を地域住民にさらしながらはや数十年が経過した隣の空き地のペンペン草がサイカイハツダオマエモハヤクタチサレヨと叫ぶコイツガタチサラナイカラドロウカクフクガススマナカッタいわれもない噂もあったそうだ噂の出所たちも、三々五々アノヨへ行ったりしたけどねかつてはここいらのがきんちょを相手にしてた文房具兼駄菓子屋だったのだろう「よしや」ひらがなで大きく書かれた看板の電話番号の桁が足らないそんな店がうちの地元にもあったいつのことだったろうノートもスーパー消しゴムも買った飴やらガムやら、スルメやら当たった、無くした、ケンカだ、泣くな、ぶったぞ、けったぞ、やりかえせ、ばかやろう、くだらない、それ、なんだ、おとしちゃった、しかたない、そうぞうしい、ぼくじゃない、うそじゃない、ごじだ、もうかえるよ、ほら大事なもんだよ、一円だってね、なくしちゃだめだ、鐘がなったよ、おやどうした、またおいで、送って、送られて、手を振って、やれやれベビーブームから少子化に流れは変わり10円20円の当たりくじつき駄菓子に寄りつく子どもらもだんだんと少なくなっていったのか なにかと気難しい店主であったかそれとも何かのっぴきならぬ事情があったのか 体は正直に異変を知らせるほんの少しの間の不在のつもりすぐにまた開けるつもりであったろう、そのまま置きっぱなしのノートや帳簿類を掘り出せばすべてが明白になるだろうか店主にある日、何が起こり なぜ、この店が閉じられたのかガキどもは何度も店の前を通ったいつか10円駄菓子より魅力的なものにも数多く出会い反抗期を通り、受験を抜けなんだかんだと走りすぎそれでもまだ明日の開店を待ったよしやはいつもあるもんだとどこかに必ず理由があり、約束があり不実で隠された符号を組み合わせ誰が、何を、紐解くかそこから、何が出てくるか五月ぐるりと囲む木々たちが秘密は秘密のまま守るように寄り添うようにそよそよ 風に ゆれている
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by umebayashi-gyoza
| 2023-05-27 09:45
| 風薫るー5月
2022年 09月 03日
財布にあと幾らある玉子は買ったネギもあるあとどれだけ働けばいいむかつくことばかりだ謝ることばかりだ気を遣うんだ疲れるんだ理屈じゃない気持がいいなあこんな日はおかねじゃ買えない光と影の織りなす壁のアートは
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by umebayashi-gyoza
| 2022-09-03 11:40
| 9月-夏から秋へ
2022年 09月 03日
あのひとは何度もうそをついた
うそをつかないで
ほんとうのことを言って
ことばを尽くし
よびかけるひとびとを前に
かれは
これが、ほんとうのことなのだよと
うそつきらしい
うそをついた
わたしはそれが
つらかった
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by umebayashi-gyoza
| 2022-09-03 10:21
| 9月-夏から秋へ
2022年 09月 02日
商店で見た山崎パンの
バターケーキが豪華に見えた
電話ボックスに置かれた缶コーラに
毒が入っていたニュースが怖かった
ユリゲラーがスプーンを曲げたかと思うと
あのカルト教団の教組が宙に浮いていた
睡眠学習のテープで成績が上がるらしい
そういうガチャガチャのなかで
なんとなく勉強しないまま
8月が過ぎた
30年、40年なんてあっというまだ
あの八百屋も、隣の肉屋も、この町を出た
明日もまたシャッターをあけるだろうと
なめてかかっていた間にだ
意地悪だと評判だった薬局もやめた
大家さんだった商店は
コンビニにはならないまま
3年前に閉じた
夢のスペースだったビル
ぼろぼろになった屋根とベランダ
あんがい、小さかったな
ああ、年をとったんだ
地元に帰るたび
そう、感じさせられるあの場所
だが今年、あの場所に異変が
薬屋の空き店舗が
なんと居酒屋になっている
もうけ度外視ってやつなのか
社会貢献の一環か
地域おこしか
はたまたナニか
よくわからない
よくわからないけど
居酒屋あらわる
道路の向こうから、そっと居酒屋を覗くと
まだ開店前らしき、その奥で
夫婦とおぼしき男女が店をこしらえている
いぶかしげに覗いているこちらに
妻らしき女性が気づく
あ、気づかれたと
やり場なく、やや会釈
妻らしき女性も
こくんと、会釈
やばい呼ばれる
彼らはもしや
幻を見せるキツネかも
行ってはだめだ、いかんいかん
慌ててその場を立ち去る
しかしそれは
幻ではなさそう
居酒屋あらわる
消えるな居酒屋
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by umebayashi-gyoza
| 2022-09-02 22:07
| 9月-夏から秋へ
過ぎてゆく日々に。通りすがりに、一言。
by umeko